地クラブなのに海外進出やトーナメント開催もする「ドゥーカス」とは? 「業界初」が大好きなCEOにいろいろ聞いてみた
2025/05/23
「あったら面白い」を実現するのがDOCUSブランドの心意気
茨城県古河市に本社を構え、「DOCUS DESIGN(ドゥーカスデザイン)」ブランドを手がけるHARAKEN株式会社。地クラブメーカーと思われがちだが、クラブヘッドやシャフトはもちろんボールやキャディバッグ、さらにアパレルまで幅広く展開している。 【写真】「ドゥーカス」のアイアンも楽々持ち運び! これが注目の「クラブホルダー」です
エッジの立ったクラブを次々に世に送り出す「DOCUS DESIGN(ドゥーカスデザイン)」は、地クラブながら海外進出やトーナメント開催など精力的に活動している
米PGAショー参加をきっかけに海外進出も精力的に行い、国内では今年10周年を迎える「DOCUSオープントーナメント」も開催している。
この元気なブランドを立ち上げ、自分の名前をそのまま社名にしてしまったのが原健太郎CEO。「DOCUS DESIGN」すべてのデザイナーも自ら務め、個性的かつ業界初が大好きだという人物。そんな原氏に「DOCUS DESIGN」の製品や精力的な活動について筒康博ヘッドコーチが話を聞きました。
※※※ 筒康博(以下、筒) 「DOCUS DESIGN」はいわゆる「地クラブ」とは活動がまったく異なり、米PGAショー参加をきっかけに海外進出したり、国内では「DOCUSオープントーナメント」を開催したりしています。
原CEOはどんな考えで、精力的な活動を行なっているのですか?
原健太郎(以下、原) 大手メーカーではできない小回りが効くモノづくりと、「あったら面白い」プロダクトやイベントができるのが「DOCUS」なのかなと思っています。私自身が「業界初」とか新しいものが好きですし、カスタムブランドなら「他にはないよね」といわれる個性もあっていいかと
。私自身ゴルフが好きですから「DOCUSオープントーナメント」も始めましたし、せっかくやるなら「年齢や性別を問わずにプロアマいっしょに」混合トーナメントにするのが面白いかと。
気がついたら、あっという間に今年で10周年記念大会になってしまいました。
筒 「DOCUS DESIGN」のプロダクトについても、デザイナーでもある原さんからお話を伺いたいのですが、まず「RELOADED+ NEO(リローデッドプラス ネオ)」ドライバーです。チタンフェースの内側にカーボンシートを張り付けているいますが、この発想に行きついた理由は?
原 チタンフェースの評価がすでに確立されている中で、近年カーボンフェースにも一定の評価がされています。では両方の長所を活かすにはどうすればいいのかと考えた結果が、「業界初」のチタンとカーボンのWフェース構造です。チタンボディーがあるので、実際はカーボンフェースをチタンで挟んでいる3層構造フェースです。
筒 打ってみると、もちっとした打感と弾き感のバランスが不思議ですし、結果として若干フェース部の軽量化もできているせいか、ヘッド挙動も安定感がありますね。
採算度外視! チタン3Dプリンター製「INFINITY∞ 3D」
筒 キャロウェイの2025年モデル「ELYTE(エリート)」ドライバーは、プロトタイプヘッドの制作に3Dプリンターを使って約75回もの試作を行ったと話題になりました。ところが「DOCUS DESIGN」が3Dプリンターを使って作った「RELOADED INFINITY∞(リローデッドインフィニティ) 3D」ドライバーは、すでに一般発売されていますよね。
原 チタンパウダーを使った3Dプリンター製品は非常に高価なので採算性は度外視です(笑)。今までになかった新しいテクノロジーや製法を使ったドライバーを作りたかったのです。従来の溶接の継ぎ目がまったくない単一ボディ「ワンピース」チタンドライバーは業界初ではないですが、作ってみてよかったです。
筒 定価27万円(税別)のカスタムヘッドなんて衝動買いはできませんが、確かに今まで体感したことのない新鮮な打感&フィーリングのドライバーです。 原 確かに安くはありません。でも海外向けに作られた高反発モデルと併せて、当初想像していたよりも売れています。
マッスルバック、ポケキャビ、中空マッスルの「3兄弟アイアン」が生まれた背景
筒 続いてアイアンについてお聞きします。マッスルバックの「RELOADED+ M」、ポケットキャビディの「RELOADED NEO」、中空マッスルの「RELOADED+ NEO」という「3兄弟アイアン」に装着されているウエートは、ウッドにもそのま使える「共通ウエート」になっているのですね。
原 ユーザーにとってもメリットですし、「ありそうでなかった」のでやってみました。私が若い頃に在籍していたプロギアで昔あった「3兄弟アイアン」を、自分のブランドで展開してみたかったのもあります。ちなみに、どのアイアンもロフト&ライ角が調整できるように軟鉄ボディーを採用しています。 筒 大手メーカーのグローバルモデルみたいなアイアンのラインアップですね。打感も軟らかいですし、今どきのウェッジで採用されているフルスコアラインフェースも「DOCUS DESIGN」らしい。今後もカスタムユーザーがワクワクするようなプロダクトを期待しています。 原 インスピレーションやアイデアをどんどん形にしていこうと思います。「DOCUSオープントーナメント2025」でも試打会や商品を出す予定ですので、興味のある方はぜひご参加ください。