右ヒジは締める? たたむ? どうやって動かすの!? スイング中の正しい使い方と練習の心得
2025/02/07
右ヒジは「上下」しながら「曲げ伸ばし」するもの
練習やレッスンに通う人ほど、だんだんスイング全体の動きよりも細かい部分に気持ちがいきがちです。うまい人に聞いてみても「意識してない」や「自然に」「勝手に」などの答えが返ってきて、具体的な方法はわからないことが多いです。
それでも、ちょっとマニアックな「右ヒジの使い方」を知りたい人のために、今回は基本的な動きを紹介していこうと思います。
うまい人たちは意識せず「自然に」や「勝手に」できているという「右ヒジ」の使い方はどうするのが正解なのか
まず誤解しやすい点は、アドレスで右ヒジは体の近くにはあるものの、決して右ワキを締めるような位置にはありません。右ヒジは上半身(胸)から離れているのが自然だということを頭に入れておいてください。 ここからバックスイングをしていくにつれて右ヒジは「上がり」、トップに向かって徐々にたたまれていきます。角度にして90度前後までたたまれた右ヒジは、ダウンスイングで「下がり」ながらその角度を大きくし、伸び切ってしまう前にインパクトを迎えます。
ここからバックスイングをしていくにつれて右ヒジは「上がり」、トップに向かって徐々にたたまれていきます。角度にして90度前後までたたまれた右ヒジは、ダウンスイングで「下がり」ながらその角度を大きくし、伸び切ってしまう前にインパクトを迎えます。 インパクトの瞬間だけを見れば右ワキを締めているようですし、右ヒジを縮めているようにも見えます。しかし全体の流れで見た右ヒジは、バックスイングからトップにかけて少しずつ「曲がり(たたまれ)」、ダウンスイングからインパクトにかけては少しずつ「伸ばし」ています。 そしてフォロースルーを過ぎた辺りからフィニッシュにかけて、少しずつ首に巻き付くようにたたまれます。
わざわざ「曲げ伸ばし」の表現を使ったのかというと、スイング写真の印象から「右ヒジを縮めて」インパクトしてしまっているアマチュアが意外と多いからです。そうすると「ゴルフヒジ」の障害になるリスクが高まってしまいます。 ゴルフのインパクトは「リリース」ともいわれています。ボールを投げるような右ヒジの使い方から、少しずつ「上下」させたり「曲げ伸ばし」させる動かし方へとしていくのがケガ防止の第一歩になります。
右ヒジはトップでも背中側に行かないようにする
スイング中「右ワキが締まっている」などの表現はカッコよく聞こえますが、実際に「気をつけ!」のように右ヒジが体にピッタリくっつく場面は、ゴルフのスイングにありません。
動画や連続写真の角度によってそのように見えることがありますが、そもそも両腕は体より前で離れた状態でアドレスしています。 バックスイングでは体を回転しながら少しずつ右ヒジはたたまれていきますが、シャツの横の縫い目や右ポケットよりも背中側に右ヒジが行かない方が、インパクトの再現性やエネルギー効率が高くなります。
「プロは右ワキにモノを挟んで練習しているじゃないか」という意見もあるでしょうが、このドリルはアマチュアには不向きだと断言します。なぜなら、プロのように右ヒジが背中側にズレずにモノを挟んでスイングするのは非常に難しく、単に窮屈な動きを助長するだけだからです。
むしろ右ワキに挟んだグローブやタオルが「バックスイングの途中で落ちる」練習を行った方が、右ヒジの使い方を身につけるには効果が高いでしょう。
右ワキなどの部分的な動きだけを意識しすぎない
トップまで上がった右ヒジは、ダウンスイングで「下がり」ながらインパクト前で一番低い位置にきます。 よくいわれる「手元を低く」という動きは、右ヒジがどんどん低くなることでグリップを下に引くから可能になります。しかしインパクトからフォロースルーにかけてはリリースですから、右ヒジは目一杯伸びていき、フィニッシュに向かって再び「上がる」こととなります。
インパクト前に低い位置を迎えた右ヒジは、インパクトからフィニッシュに向かって「伸ばす」。フィニッシュでは顔の横まで上がりながら、首に巻きついてくるのが基本的な動き
フルショットでしっかり振り切れると、右ヒジは顔の横あたりに収まるのが自然です。 今回のように「右ヒジ」にフォーカスして動きを細かく説明すると、多くの人は難しいと感じ、意識してできる気がしないと思うのが自然でしょう。 そもそも、タメを作ろうとしてムリやり右ヒジを曲げて締めてみたり、フォロースルーで力まかせにヒジを突っ張るようなスイングではスイング全体のバランスを崩すことになります。 部分的な改善をするときは、全体のバランスを意識しつつ取り組んでください。